1.充実した生活創造にむけて
日本経済が高度成長から安定成長期へと変革する中、勤労者の生活もその様相を変えつつあります。
仕事に一日の時問の大半を費やすのではなく、勤労者も地域、家庭に立ち返って、また、人権、環境も含んだ自らの生きがいを求め充実していくことが大切です。
行政としても、ボランティア活動や地域活動に参加しやすい体制づくりが必要であり、勤労者福祉団体との連携や地域コミュニティの推進、NPO団体などの市民活動の支援が求められております。
また、勤労者福祉施設として新たに建設した市民交流プラザの有効利用を図ることが重要であり、勤労者を中心とした広く市民の総合的な福祉を実現する拠点づくりを推進します。
(1)健康
勤労者が自分の生活や家族の幸福を守るためには、健康の保持が大切です。
近年では市民意識の向上をはじめ、公衆衛生の進展に伴って健康保持に対する関心は高まりつつあります。
しかし、ライフスタイルや社会情勢の変化などがもたらすストレス、不適切な食生活や運動不足からくる生活習慣病の増加等、健康面における課題はますます増加する傾向にあります。人生80年といわれる今日において、高齢になってからも痴呆や寝たきりにならず、健康で心豊かに生活することは大変重要です。一人ひとりが「自分の健康は自分で守る」という自覚のもとに健康づくりを推進していくことと、そのための社会境づくりが必要です。
(対 策)
・健康な生活を送るためには、我々がその中で暮らしている自然環境を守っていくことも重要であり、食生活を含む健全な生活習慣の啓発とともに、環境保護の啓発に努めます。
・健康に対する意識を高めるために、健康診断を推進するとともに、人間ドック等の必要性について啓発や情報提供に努めます。
・ライフステージに応じた健康づくりを推進するため、健康教育、健康相談の充実を図ります。
・健康推進員などの地域リーダーやボランティアの育成を図り、地域が一体となったサービス体制の整備、確立に努めます。
・急増する心の病や慢性疾患などに対する相談機能の充実や関係機関、専門医との連携に努めます。
(2)家庭・地域
勤労者が、元気に働き生活していくためには、家庭基盤の充実と地域杜会とのかかわりは不可欠です。
子育てや介護も含めて、男女が共に家庭での仕事を分担し、明るくゆたかな家庭を築き、同時に、地域活動にも参加し、地域住民との交流を図っていくことが必要です。
(対 策)
・ボランティア休暇、育児休暇、介護休暇等の制度をPRするとともに、そうした制度の活用についての雇用主の理解を図り、推進します。
・男女がともに働ける環境づくりや、仕事と家庭の両立を可能にする保育、介護サービスなどの充実に努めます。
・地域における子どもと大人の協働を通じて共に学びあい、よろこび合うことを進める「地域協働合校」の理念を生かした事業に取り組み、地域住民の交流を図ります。
・ボランティア活動やNPO活動など地域に根ざした市民活動を支援し、地域での心のふれあいや郷土意識の醸成を図るとともに、情報交換、情報発信の場を提供していきます。
(3)生涯学習
少子高齢化、技術革新・高度情報化、国際化等の急速な杜会の変化の中で、人々が豊かで充実した職業生活や社会生活を送っていくためには、生涯にわたって絶えず新たな知識や技術を取得していくことが必要になってきています。
こうしたことから、人々が自由に学習機会を選択して学び続けるというライフスタイルの確立が重要となってきており、社会全体でこれを支えるための体制を整備することが求められています。
(対 策)
・勤労者の生涯にわたる学習活動を積極的に支援するため、学習情報や相談機能の充実、人材戸成などに努めるとともに学習機会の充実を図ります。
・地域における生涯学習の場として、公民館の機能の充実を図ります。
・学んだ成果が地域づくりなどに還元できるよう、市民活動を支援するとともに、その仕組みづくりに努めます。
(4)余暇の有効利用
余暇の有効利用は心身のリフレッシュや生産性の向上に大きくかかわっています。
近年は、経済的な豊かさだけでなく心の豊かさや潤いが求められており、また余暇や自由時間を活用し個人の生活を重視する考え方も広がっているなか、心身の健康保持の重要性が認識されてきており、ゆとり生活の具現化に向けた取り組みの推進が必要です。
就労形態の多様化により、就労時間、休暇形態等も多様化してきていますが、就労以外の時問、休暇、休日等の活用は、自己の趣味やリフレッシュだけでなく、交友関係を深める、地域活動に参加する、ボランティア活動をする、健康増進、また、家族とのふれあい等々、多種多様に富んでいると同時に非常に大きな意義を持っています。
(対 策)
・就労形態の多様化により、余暇時間の形態も多種にわたっており、それに対応した余暇の有効利用の推進に努めます。
・余暇や自由時聞をスポーツに生かすなど個人の生活を重視する考えも広がっており、スポーツなどの情報の提供や余暇活動の支援を行ないます。
・余暇を利用して文化・芸術・工芸活動などに親しむ人も増えており、情報のネットワーク化や、さまざまな文化に接する機会の充実を推進します。
・ボランティアやNPO活動への気運も高まっており、このような市民活動を支援し、活動の輪を広げていきます。
・勤労者福祉団体との連携を図り、行政とのパートナーシップの関係の中で、余暇の有効活用に向けた活動を支援します。
2.高齢杜会をむかえて
本市の高齢化率は平成2年に8.4%でしたが、14年3月末には12.5%となり、全国平均や県平均と比較すると低いものの、高齢化は進み、平成22年には16.6%に達する見込みです。
本格的な高齢杜会においては、高齢者に対しても労働力としての期待は大きいものがあります。また、世論調査においても70%以上の方が、健康維持のうえからも60歳以降も働きたいと答えておられます。これからの社会においては、高齢者が、楽しく元気に働くことができるようにすることが必要です。
また、高齢者が持つ知識や技能・能力をまちづくりに生かすことや、健康で生き生きと生活できるような活動を支援することも大切です。
(1)高齢者の能力活用
高齢者は、多くの経験により、豊富な知識と優れた技術を持っておられます。
健康で働く意欲のある高齢者に、その経験を活かすことができる場を提供することが必要です。
また、高齢者の社会参加を助長するための条件を整えるとともに、高齢者が安心して暮らせるよう、地域杜会で支える気運を醸成することが求められています。
(対 策)
・公共職業安定所等関係機関と連携して、企業に対する高齢者の能力活用のための啓発を行ないます。
・関係機関との連携をはかり、高齢者の雇用の情報提供や相談に関する支援を行ないます。
・高齢者が日常生活に密着した臨時的・短期的な就労を行ない、社会参加による生きがいと収入の確保を図るための人材登録組織である(社)草津市シルバー人材センターの活動を支援し、健康と生きがい対策の推進を図ります。
・高齢者の豊かな経験や知識を次代へ伝えるため、あらゆる世代との交流を促進するとともに、高齢者の福利厚生の向上と社会参加の促進に努めます。
(2)生きがいを求めて
豊かで生きがいのある高齢期を迎えることは、すべての人々の願いです。
勤労者の退職後においても、生きがいとしての就労、趣味、レジャー、そしてボランティアは重要であり、家庭や地域で人々と交流を深めながら、安心した生活を送ることができる長寿社会を実現していく必要があります。
(対 策)
・前述の生涯学習の推進と併せて、高齢者だけでなく若年時からの生きがいづくりや、勤労者のライフスタイルに応じた白己啓発活動を支援します。
・高齢者の豊かな経験や知識・技能を生かした社会貢献を促進するとともに、文化、スポーツ・レクリェーション活動や多様な社会参加の場の提供を図るなど、高齢者の生きがいの増進を図ります。
・急激な高齢社会への移行に備え、勤労者が早期からの個々のライフスタイルに応じた生涯生活設計ができるよう意識の醸成を促進します。
・安心した生活が送れる社会を目指して、バリアフリーの推進など高齢者にやさしい生活空間の整備に努めます。
3.誰でもが等しく働けるために
勤労は、憲法において定められている義務であると同時に権利でもあり、誰もが快適な文化的生活を送るために働く権利を有しています。
しかし、誰もがその能力に応じた活動が保障されていない現実が数多くあり、特に女性や障害者、外国人などにおいては顕著な傾向だといえます。
こういったなか、男女雇用機会均等法をはじめとした関係法令の啓発や就労面における女性の地位向上に努めていくことが求められています。さらに、障害者が自らの知識や技能を生かし、生きることや働くことの喜びを享受できる社会の実現、外国人等が差別されることなく働ける社会づくりのための啓発、推進が必要です。
(1)女性
女性の社会進出、特に職場進出は大きな時代の流れであり、自分らしさを発揮して自立した生き方を求める女性が増えています。
男女は平等であり、性別にかかわらず等しく働ける環境づくりを進めているところですが、未だ雇用、就労における男女の格差が実態として見られます。これらの格差を解消し、男女が社会の対等な構成員として働ける杜会の構築が必要です。
(対 策)
・企業に対し、女性労働者が性別により不利益をこうむることなく、母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むことができるよう、男女雇用機会均等法などの啓発を行なうとともに、女性の就労のための職業能力の開発、情報提供を行ないます。
・「草津市女性行動計画」の見直しを行ない、庁内外の推進体制を整備充実します。
・複雑化、深刻化する女性の悩みを解消するため、相談体制機能を充実します。
(2)障害者
「ノーマライゼーション」の理念が社会に浸透し、雇用される障害者数も年々増加してきたものの、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定める法定雇用率の未達成企業も見られるとともに、近年の景気動向ともあいまって、障害者を取り巻く雇用環境は依然として厳しい状況にあります。
国の障害者雇用基本計画においても、「ノーマライゼーションの理念の実現のためには、障害者の杜会的な自立に向けた基盤づくりとして、職業を通じての社会参加を進めていくことが基本となる。」とうたっており、実効ある職業リハビリテーションの措置を講じるなど、障害者が生きがいを持って自立した生活ができる社会の仕組みを構築していかなければなりません。また、障害者の職業的自立を図るためには、社会啓発を進めるとともに、福祉、教育、生活環境面での諸条件を整えていく必要があります。
(対 策)
・身体障害者・知的障害者・精神障害者の対策推進など、重複障害の場合も合め、障害種類別の特性に応じたきめ細かな対策を推進します。
・職業的自立の促進や一般雇用が困難な者に対する施策の推進など、障害者対策を推進します。
・職業リハビリテーションを推進するため、職業安定所との連携強化や障害者雇用支援センターの活動支援を行ないます。
・障害者の雇用を促進するため、障害者雇用促進協会など障害者関係機関との連携、啓発を図ります。
(3)外国人労働者
日本で働く外国人労働者の数は、厚生労働省による推計では平成2年に26万人でしたが平成11年には67万人になっています。草津市における外国人労働者数の統計資料はないものの、外国人登録数が平成2年には770人であったのが平成13年には1,623人になっており、草津市における外国人労働者数は増加傾向にあることが推測できます。
生活習憤や文化の違い、言葉の壁などにより誤解されやすい、差別や偏見をもたれやすいなど、外国人労働者を取り巻く環境は厳しいものがあります。とりわけ就労における問題は死活問題であり、不馴れな土地での生活で、十分な知識・情報が得られず、多くの悩みや不安を抱えておられるのではないかと思われます。
(対 策)
・公共職業安定所や労働基準監督署ならびに県などと連携しながら、就労における差別撤廃に向けて啓発を行ないます。
・日常生活を支援するため、多言語によるガイドブックやパンフレットの作成、日本語と外国語との併記などに努めます。
4.勤労者福祉団体の育成のために
勤労者福祉は、国や市などが行なう公的な福祉施策の他、個々の企業が行なう企業内福祉および勤労者の自主的な組織である勤労者福祉団体による自主福祉があり、公的施策が勤労者福祉の基本的部分を担い、企業福祉が補完し、さらに自主的福祉活動が補足する形で発展してきました。
草津市においては、勤労者福祉団体として、市内在住の全勤労者を対象とした草津市勤労者連合会、中小零細企業の勤労者およびその事業主を対象とした草津市勤労者互助会、そして市内に勤務し、労働組合に加入している勤労者を対象とした草津・栗東地区労働者福祉協議会の3団体があり、それぞれに活動がなされています。
本市の勤労者福祉対策を行なう上で、これらの団体との連携は不可欠であり、その育成や活動支援が求められています。
(1)勤労者互助会
草津市勤労者互助会は、一企業だけでは行ないにくい、市内中小零細企業で働く勤労者に対する福利厚生事業の充実を期するため、昭和56年に発足しました。
勤労者互助会では、未組織労働者への支援策として、各種イベントの開催やチケット等の安価提供、バス旅行の実施など多彩な事業を実施、また、共済事業として各種祝金や弔慰金の支給を行なうなど、中小企業勤労者福利厚生団体として大きな一
役割を果たしています。
近年の社会情勢の変化や多様化する価値観なとを受けて、会員の二一ズも多様化する傾向にあり、会員の声を反映した事業の実施や関係団体等との事業交流の促進など、より一層親しまれる組織として充実するとともに、国の提唱する福祉サービスセンターへの発展移行も視野に入れた取り組みを進められています。
(対 策)
・勤労者互助会は、中小零細事業所の勤労者福祉対策として各種事業を行なっていますが、多様化する二一ズに合った事業展開が必要であり、これに対応した組織体制整備のための助言、支援を行ないます。
・福祉サービスセンターへの発展移行に向けた条件整備と、スケールメリットを生かした自主運営に向けた活動を援助します。
・未組織労働者に対する各種事業の展開など、互助会の活動を支援します。
(2)労働者福祉協議会
草津・栗東地区労働者福祉協議会は、連合草津・栗東地域協議会を中心として、さらに上部団体未加入の組合員が参加されて組織されており、独自の立場から、国や地方公共団体、企業の勤労者福祉を補強する活動を実施しており、組織としてのまとまりは他の団体と比して非常に強いものがあります。
労働者福祉協議会では、組織的にボランティア活動を行なうなど社会貢献活動の実施や各種文化・体育事業の実施、研修会の開催など多彩な事業を実施されています。また、勤労者の声を行政に伝え生かしていく活動などもされています。
労働者福祉協議会は各企業内組合の協議体ではありますが、それらを包括しつつ超越した組織として発展しており、労働金庫などの勤労者福祉事業団体との連携を強化し、勤労者の身近で切実な問題をさらに汲み上げられる組織として充実を図られています。
(対 策)
・労働者福祉協議会と市との連携を一層綿密にするとともに、協議会の事業実施に対して支援、推進します。
・労働者福祉協議会代表者と市との懇談会を定期的に開催するなど、勤労者福祉について相互に補完しあえる政策懇談の機会を拡大します。
・勤労者の生活安定、向上を図るため、住宅資金融資制度など勤労者福祉事業団体を利用した施策の充実を図ります。
(3)勤労者連合会
草津市勤労者連合会は、昭和30年に結成された市内でもっとも歴史ある勤労者福祉団体です。
当初は旧国鉄職員を中心として、市内の勤労者が住民税の減税運動を進める団体として発足しましたが、その後、高度経済成長による生活基盤の安定等によって、福祉・文化面に重点をおく自主福祉団体へと変遷してきました。
主な活動は、会員同志の交流や教育講座のほか、清掃ボランティア、バス停ベンチ設置など、積極的に社会貢献活動を行なっています。
しかし一方において、市内の全勤労者を対象としていることから、会員意識が希薄になりがちであるといった組織的な弱さや、会員の高齢化や支部の取り組み状況に濃淡があるなどの課題もあります。
地域活動を基盤とする活動の拡大・充実を図るとともに、世代交代による活性化を進められています。
(対 策)
・勤労者の多様なニーズに応える事業内容の充実・活性化や、地域に密着した活動の推進にむけた取り組みを支援、推進します。
・支部活動の充実と、組織の活性化を期するための各種事業の充実を支援、推進します。 |